【bU】 いろいろな数列 §5 いろいろな数列の和(その1)
分数数列の和
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 分数数列の和を求める

 数列の問題には,
  「解き方」を知らないと,どれだけ考えても絶対に解けない,
 というものが数多くあります。

 この分数数列の和というのもその1つです。
 分子が1で,分母が整数の積の形をした分数式の和を求める問題です。

 このタイプの問題の第1番目の困難さは…
   与えられた式のどこを見ても解法の鍵となるデータを見つけることはできない
 という点です。
 要するに,問題を前にして,手も足も出ない,という状況です。
 
 結論からいえば,それぞれの分数式を「差の形」に変形すると,なんとかなります。
 分母が積の分数式から差の形に変えることを「部分分数に分ける」といいますが,
 これには3つのタイプがあります。

 詳しくは,プリントbU(1/7)で紹介しています。

 また,これは,分母の積が2個の場合にのみ使える公式で,3個になると使えません。
 もっとも,分母が3つの整数の積の分数式の和の問題など,「ふつう」はない,と考えます。
 超難関大学の理系学部の入試ではわかりませんが…
 このタイプの問題の解き方は,レベルの高い参考書には紹介されていますので,
 知りたい方はそちらを学習して下さい。

 第2番目の困難さは,次の点にあります。
 部分分数の差の形に直すと,+と−の同じ形の分数が交互に現れます。
 これをキャンセルすることで,中間にあるほとんどの項が消えるのですが…
 第1項と第n項が残るのは,初級問題で,
 第1,2項,と第n−1項,第n項が残るというのが,「ふつー」のタイプです。
 ここでの困難さは,最後の2項をnを使って表すわけですが,
 差が2とか3になると,どんな形になるのかがわからなくなる,という点です。
 しかし,ここまでは,なんとか,解けます。
 ところが,あろうことか,
 第1項と第3項,第n−2項と第n項など,項がとびとびに残る問題があります。
 こうなると,アウトです。
 まず,消し方がわかりません。どのように消えるのかが,見つけにくいのです。
 また,第n−2項がどんな形をするのかが,わかりません。
 しかし,このタイプの問題は文系でもテストに出題されます。
 決して難しいというわけではありません。

 要するに,「解き方」があるわけで…
    項を順番に並べて,どれとどれが消えるのかなぁ…
 では,”ダメ”なのです。

 では,どうする?

 だれでも確実に正解できる“手”を,プリントbU(2/7)で紹介しています。
 
 このプリントを使い,実際に,紙に書きながら練習し,この”ワザ”を習得して下さい。 
 そうすれば,「分数数列の和」の問題は”かも”になります。
 他の多くの人が解けない問題です。
 差をつける”わざ”です。

 あなたは,差をつける側にまわりますか,それとも差をつけられる側にまわりますか?
 
 ■なお,演習問題は,数専ゼミ・山形・東原教室で指導しております。


H29.05.11